【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《田邊優貴子》 =44=

2017-01-11 11:54:22 | 冒険記譜・挑戦者達

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○

◇◆ 第17回 「知床ではないのだ」 =2/2= ◇◆

 女子会の翌日、目が覚めると外はすっかり白い氷の海。 前日までのバラバラッとした小さな流氷ではなく、氷のサイズが大きく分厚くなり、辺り一面密接している景色が広がっていました。

 「右30度、コウテイペンギン!」

 昼下がり、大きな音で艦内に放送が流れました。 船内はにわかにざわつき、私もすぐに防寒着を羽織って外へと急いだのです。

 しかし、コウテイペンギンの姿はどこにも見当たりません。

 「あ!いた!」  誰かが声を上げ、指の示す方向に目を凝らしてみると、遠くのほうになんとなく小さな黒い点が見えます。
 私は首に下げていた双眼鏡でそこを覗いてみると、確かにそれはペンギン。 しかも、首回りが黄色く色づいている。

 まぎれもない、コウテイペンギンでした。

 双眼鏡を外し肉眼で見てみると、ただの黒ゴマのようです。 が、なんと言おうとこれが記念すべき今回のファーストペンギンコンタクト。

 もはやここは知床ではないのだ、ということをはっきりと教えてくれる存在です。 そして、どこまでも続く白と青の世界にほんの小さな点でしかないコウテイペンギンが、この世界の果てしない広がりというものをより一層際立たせてくれるのでした。

  一見すると、まるで生命を寄せつけないような氷の海。

 しかし、氷を割りながら進むしらせの脇には、大増殖したアイスアルジー(藻類です)で茶色くなった氷がひっくり返っています。
 そしてこれを捕食する大量のナンキョクオキアミを狙って、多くのクジラやペンギンたちがここにやって来ます。

 氷海に入って4日間、コウテイペンギンやアデリーペンギン、カニクイアザラシやウェッデルアザラシが近くに現れています。
 空を舞う海鳥もすっかりこれまでと様相が変わり、ナンキョクフルマカモメや、ギンフルマカモメ、ユキドリといった南極に棲息する種に取って代わりました。

 さあ、南極大陸はもう目の前です。

2011年12月17日 南緯68度、東経38度 しらせにて

 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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